校長室から

お祝い 入学式 厳粛な いい式典です

4月10日(水) Vol.5 初めての経験に感動

今を盛りに爛漫と咲いている桜花も散る時を知ってか、君たちの入学のこの日を待つように、激しい雨に耐えている。刹那的な花、桜花のこんなにも強い姿を意識することはあまりない。記念の日、満開の桜花、それに降る雨という条件が揃わないと、そんな見方はしない。

雨の中の式典だったので、式辞の中に上のような言葉を添えた。入学宣言を終えた後、壇上で一人ずつ握手をした。304の手、温かいてもあれば、冷たい手もある。大きなて、肉厚な手。一言一言声をかけた。入学してきた生徒たちより、私の方が浄化されて「ハレ」の日を味わっているように思えた。

対面式の時、歓迎の言葉を述べたのは、先日校長室を訪ねてくれた生徒会長。終えた後で、奉書を収めながら涼やかな笑顔で私の方を見た。「どうでしたか」と自信ありげな眼差しだったので、「よくできました」と軽くうなずくと、顔をほころばせて呼応するようにうなずいたような気がした。どうやら日頃から、リレーションを大切にした生活環境が、彼女の周りにはあるようだ。

訪問者たち、嬉しかった!

4月9日(火) Vol.4 野球部、清掃担当、生徒会長

眼力(めぢから)がある。みんな笑顔で会話してくれるのだが、目に力がある。最近、のほほーんとしてきた私より、ずっと。

一番最初に校長室を訪ねてくれたのは、野球部の2人である。「公式戦がはじまります。ぜひ応援をお願いします」おそらく以前勤めた学校でも、野球部の応援に足繁く通っていたことをどこからか聞いたのだろう。日程は?明日(10日)、また急な話だねぇ。併せて、明日は入学式です。とても・・・。申し訳ない。

真ん中の写真は、清掃担当の諸君。これからよろしくお願いします。ちゃんと机の上は片付けておきます。

最後にきてくれたのは生徒会長。名前に「琴」がつくので、「『琴線』って知ってる?」と聞くと見事に答えてくれた。なかなか高校生が触れることの少ない語彙である。いい教養の環境で育ってきているんだろうなと思った。とりとめもない話をしばらくして、「そうそう、先生。私お礼にきたのです」と、Vol2で書いた冊子の原稿のお礼をいただいた。美術コースの生徒に書いてもらうところ、連絡が取れないので、生徒会の一年(現二年)の女子が書いてくれたのだという。「でも、でも、表紙は校長先生!」と言ってくれた。描いてくれた生徒の気持ちと、生徒会長の双方に対する心配りが感じられ、嬉しかった。「あら、随分本人より本人らしい似顔絵」とは、40数年連れ添った奥様の評価である。

 

始業式

4月8日(月) Vol.3 校長の意気込み

始業式があった。初めての式辞(講話)、もう少し気の利いたことを言えればよかったのだが、月並みな話に終わってしまった。冒頭の校長挨拶の生徒版焼き直しのようなもの。

元号が変わるがそれで何が変わることでもない。高浜虚子の句に「去年今年 貫く棒の ごときもの」というのがある。人は区切りをつけたがるが、年が変わったからといって、自分に何か変化が起きるものでもなし、貫いってきたもの(信念)に変化はない。しかし、一般の考え方、「節目」「区切り」というのも大切だと思う。市原中央高等学校元年。君たちはどんな節目としてこの瞬間(とき)を捉え返すのか?そして(信念を)貫き通すことができるのか?真価が問われる「節目」であることは確かなようである。

説明できることの先にある未来への挑戦、「信」のある若者の育成、リーダーとなれる学びの展開、楽しくなければ学校じゃない。

「らしさ」って面白い

4月5日(金) Vol.2 素晴らしいプレゼントをいただいた

着任する前に、事前の打ち合わせに来校した私に、生徒会担当の先生から宿題が出た。新入生のオリエンテーションで使用する冊子の巻頭言を書いて欲しいというものであった。喜んで書かせていただいた。その冊子ができたのでわざわざ届けてくださったのである。もちろんその気持ちも嬉しいのだが、表紙が私になっている。年度末に前校長先生から「新しく・・・」と聞いていた生徒の手によるものなのだろう。写真一枚を手がかりに描いたもの。きっとこの生徒の(今度の校長の)イメージが強く影響しているに違いない。肖像画や似顔絵は多くそうである。嬉しかったのは、日頃『こうあれればいな』と思っている自分が、校訓「真心」を手に、微笑んでいるのである。現実の私は、とてもこんな眼差しはできない。こんな微笑みは持てない。描いてくれた生徒の「こんな校長ならいいな」が、絵の中の私をこんなにも高めているのである。少し面映ゆいが、嬉しい。近づけるように努力しなければ。ありがとう、素晴らしいプレゼントです。

はじまりの時

4月2日(火)Vol.1 爽やかな朝が気持ちを高ぶらせている

初めての出勤の朝、肌寒い空気に朝の太陽が眩しく輝いて、シルエットになっていた校舎が彩りを取り戻していく。いい朝だと心から思った。ふと、初めて会話を交わす生徒はどんな生徒だろうと考えた。ひとりの女子大生の顔が浮かんだ。この学校を卒業し、学園併設の大学に進んだ女子大生である。縁あって1年間SLP(student leadership program)という授業で一緒した彼女は、聡明で、爽やかな笑顔を持つ女子大生である。彼女のイメージは、この学校のイメージそのもの。この朝の空気のようなイメージである。生徒とのふれあいが楽しみである。

生徒一人ひとりが,生き生きと過ごしている「瞬間(とき)」を切り取って紹介する、ブログ「ほぼ毎日・・・校長」を作ろうと考えた。