校長室から

お祝い 11−5 Vs 木更津高等学校 

7月13日(土) ほぼ毎日校長 Vol.65

市原中央 311 600 000 11
木更津 020 030 000  5

 まずは、全校生徒の諸君、ごめんなさい。この「ごめんなさい」は期待に応えられなくてという意味です。おそらく状況をしっかり捉えてもらえれば、私が「中止」の決断を下したことは納得してくれるだろうと信じています。
 当日ZOZOマリンスタジアムは、弱雨。試合を中断するほどではないが、時折激しくなり、懸命にプレーする選手も、応援団の諸君もずぶ濡れになっていた。保護者の方が、レインコートを勧めてくださったが、お断りした。一つは、応援しているチアや吹部の諸君、スタンドで声を枯らしている野球部の諸君も雨に濡れているのに、という気持ちと、いま一つは、全校応援を中止した自分の判断の是を証明するような気持ちがあったのだろうと思う。持参したSASのベンチコートも持っていたのだが、『雨に打たれたい』とトータルな気持ちがそうさせたのだと思う。
 大勢の保護者の方、OB、一般の方々に応援されながら、両チームはいい試合をしていたと思う。かつて身を置いたことのある木更津高校。強いチームに向かう時、彼らは強くなる。不思議とそういう力を有している。同じくらいの実力のチームに、ポロリと負けるのに、なぜ、こんな力がどこにあったのかと思うチーム力を発揮するのである。それが出ないことを祈った。出させないためには、圧倒的な押さえ込むような勢いが必要である。権謀術数に長けた試合巧者である必要がある。内心ハラハラしながら応援していた。

晴れのち曇り インターアクトの生徒たちだったんだ

7月9日(火) ほぼ毎日校長 Vol.64 一生懸命

  放課後の時間帯に校内をぐるぐる回ってみた。本当に久しぶりに生徒の活気ある姿に触れることができた。ひと通り巡って、中庭を見ると2人の生徒が草木に水やりをしている。対角線上にいたので大きな声で声がけするのも申し訳ないと思い、廊下をぐるりと回って、教室の窓から・・・、あれぇいない。四角の一辺の反対側に姿を見つけたので、そちらへ向かった。生徒棟から職員室に向かう渡り廊下になっているところである。一歩踏み出して、また姿を見失っている自分に気づいた。あらら、今度はまた対角線にいる。水中に浮かぶ小さな紙片を両手ですくおうとして、するりとすり抜けてしまい、なかなかすくえなかった経験があるだろう。あんな感じだ。すり抜けて行けば行くほど、生徒たちが何をしているのか知りたくなる。『まるで鬼ごっこだな』と思いながら、待ち伏せ作戦を決め込むことにした。そんな私を見つけて大きな声で「こんにちは!」と声をかけてくれた女子生徒がいる。しっかりと足を止めて、相手を見つめ挨拶ができる。テニス部の女子である。「こんにちは」と返事をして、その時私の頭を支配していた興味と疑問の解決を、彼女に求めることにした。「インターアクトの生徒たちです。いつも水やりや雑草取りをして、ハーブを育てています」と爽やかな笑顔で紹介してくれた。彼女の爽やかさと、インターアクトの生徒たちの「いつも一生懸命」が相俟って、清々しい気持ちになった。部活を見にいく前に覗いた教室では、担任の先生の丁寧な面談がまだ続いていた。ありがたいな。

仲間たちが何をしているのか、ちょっと気にかけているのだろうか。あるいはその行為への感謝があったのだろうか。「インターアクトの生徒たちです。・・・」と即答してくれたテニス部のキミのすごさにも、後になって気づいた。いいね、市原中央生!自慢です。

晴れ 元気もらえました

7月8日(月) ほぼ毎日校長 Vol.63 いいねぇ

 チャイムが鳴り終わってしばらくすると、事務室側のドアに人影が見えた。待ち望んでいたものが手に入った子供のように、ウキウキしながら手招きすると、コロコロ笑いながら二人の女子が入ってきた。「寂しかったぁ」と声をかけると、「先生、今日はいらっしゃるんですね」「◯◯ちゃんやバスケ部の〇〇さん、友達が何度か覗くんだけれど、ここのところいない日が多いって残念がってました」「私たちが来ると笑顔になる?」と、たわいもない会話をかわしてくれる。「あぁ、げんきになる、元気になる」と素直に喜びを伝えると、「ほら、先生!」と言って一人が肢体を軽やかに動かしながらダンスを踊り始めた。「?」という表情でもしたのだろう、もう一人がアカペラで、野球応援のリズムを歌う。「あぁ、野球応援の、チアの・・・」「覚えちゃいました。応援団でもチアでもないけれど、踊っちゃいます」と言ってまたコロコロと笑っている。「でも、12日だけが狙ったように雨マークなんです」と顔を曇らせていた。茶道部のUGAさん(彼女たちの間でそう呼ばれているらしい)が入ってきた。先日の文化祭の写真を見せるととても喜んでくれた。AirDropでDATA交換ね。うっとおしい梅雨空が一気に晴れた。

うちの生徒は、接するものを元気にするパワーを持っているらしい。市原中央いいね!

重要 答えのない課題から協働で答えを導く喜び

7月6日(土) ほぼ毎日校長 Vol.62 大学生たちとのお遊び?

  何人かの大学生とちょっと面白い試みをやっている。この試み、ぜひ本校でやってみたいと思っているものなのだが、まだ第一歩が踏み出せないでいる。試みはこうだ
 西洋の窓と和風の窓を比較する
 ①違いが見える   → 違いが意味するものは?
           → 違いが生まれたのはなぜ?
 ②共通点も見える  → 共通点はどこ?
 論理的な展開を作ってみよう。そうすると、窓を眺めることで(説明することで)何が語れる?
 そこまでできたら、自分の思考の流れをビジュアルに表現してプレゼンテーションしてみよう
答えは⭕️❌では語れない多様性を持っている。みんなで考え、他人の意見で自分を変容させる。本校の生徒たちなら、結構面白い結果を出してくれそうなのである。チャンスがない。語りかけるきっかけがない。高校生は結構忙しいのである。「校長の放課後講座」なんていうことを始めてみるかなどと一人つぶやいてみる。でも、誰も来なかったらどうしよう。(^ ^)

? 心が風邪を引くことってある

7月5日(金) ほぼ毎日校長 Vol.61 特効薬はないのだけれど・・・

 午後の時間帯に出かけることが多くなった。生徒と触れ合う時間が少ない。「ほぼ毎日」の執筆?が滞るのは、原因はこれしかない。何もないはずはないと思いながらキーボードに向かっても、思い浮かばない。一つのストーリー性を持って内容が泉のように湧いてくることもある。決まって生徒との会話や共に笑った「時」の共有がある時はそうである。文章を書くのは得意ではないが、嫌いでない。筆が進まない状態、原因はわかっているのに解決できないのである。部屋を訪ねてくれた先生とそんな話をすると、「心が風邪を引いているんですよ」と話してくれた。なるほど、上手く言ったものである。風邪の菌(原因)は・・・。思い当たる節がある。じっとしていても(生徒から近づいてくるのを待っていても)仕方がないと思って昼休みに中庭に出てみた。ガラスで囲まれたテラスのテーブルにお弁当を広げて、歓談しながら昼食タイムの女子生徒たち。スマホを見ながら何かに興じている男子生徒たち。生徒たちは楽しそうに「お昼」を楽しんでいた。風邪引きの心を持った校長の会話はどうやら、たどたどしいようで、いつものように弾まない。中庭に面したガラスを一匹のアマガエルが、私に気づかれないように少しずつ歩を進めている。抜き足差し足、ゆっくりゆっくり。写真を撮影すると一瞬戸惑ったように静止したが、またゆっくり動き始めた。触りたい衝動にかられた時、志賀直哉の「城の崎にて」をふと思い出した。いかんいかん、こんな風邪引き心の状態で触れると、我にもあらず彼の身の上に不幸を招いてしまうかもしれない。こんな時は、あったかいお風呂に入って、何か美味いものでも食べるに限る。

キラキラ 先輩発見!いい目をしていました

7月3日(水) ほぼ毎日校長 Vol.60 ブログの日髙先生ですか?

学習塾の先生方を対象にお話をする機会があった。時間も限られていたので、本当にポイントだけをご説明申し上げたのだが、好評だった。市原中央の強み=「各コース共通の取り組み」+「スキル(学力)Upとプロジェクトの両輪がうまく動き、学びのスパイラルを作っている」ところ。本当にポイントだけの説明なのだが、生徒諸君の日頃の頑張りと、それを支える教員の努力が説明できたと思っている。一人でも多くの中学生に伝わって欲しいと思った。帰り際にご挨拶していると、「あのー、ブログの日髙先生ですか?」と声をかけてくださった方がいた。数年前に本校と同じように「ほぼ毎日」書いていたブログをご存知で、読んでいてくださったのだという。ある塾を取り上げた記事をご覧になっていて、一度お会いしたいとまで思っていてくださったとの話を聞かせていただいた。光栄なのである。きっとこのブログも読んでくださっているだろう。やりがいがある。親しくお話しして、「今後とも・・・」挨拶が終わると、若い女性が近づいてきて「卒業生です。」と笑顔で話しかけてくれた。君たちと同じように瞳のキラキラした素敵な先輩でした。

部屋を一人の先生が訪ねてくれた。手に封筒がある。本当に嬉しそうに「校長先生、こんなお手紙をいただきました」と紹介してくれる。声の抑揚も、喜びが感じられる。手紙には「息子が在学中大変お世話になった。この出会いに感謝する。先生のおかげで、息子はこんなに人生を楽しめる人間に育った。本当に嬉しい。今、大学でツキノワグマ研究会に・・・」研究調査の際に出会ったツキノワグマの写真と、大学の門の前で緊張顔に立っている息子さん(教え子)の写真が添えられていた。写真の中の彼の目もキラキラ輝いていた。「すごいでしょう、いいでしょう」と持参した先生が嬉しそうに語る。「先生、すぐにお返事差し上げてください。教員冥利に尽きます。こちらこそ感謝ですと」。「ええ、すぐに書きます。今すぐに」部屋を出て行く背中までが喜びに満ちているように見えた。

教員やっててよかったなぁと思える瞬間(とき)、共有させていただきました。いい学校です、市原中央。

 

! 次回はご遠慮なくお訪ねください

7月2日(火) ほぼ毎日校長 Vol.59 幸せな気分です

見事なものである。あれだけの装飾、あれだけの準備をしながら、盛り上がりを見せた「祭り」のあとは、ものの見事に片付けられていた。本日から平常授業。祭りのあとの寂しさが心にへばりついているのかと思っていたが、表に出すことなく「平常」が営まれている。本校の生徒はやはりすごい。

 土曜日の午後、文化祭も終わりに差し掛かったころ、部屋に帰ると一冊の書籍に手紙が添えられて届けられた。持ってきてくれた事務の職員に「寄っていただければいいのに、もうお帰りになった?」と問いかけると、そのようにお声がけしたのですが、「お渡しいただければそれでいい」とおっしゃってすぐに帰られたとのことであった。書籍はご自身が取り組んでおられる活動に係るもの。早速添えられた手紙の封を切ってお手紙を拝見した。書籍に手紙でなく、お手紙に書籍が正しい表現のようであることがすぐにわかった。かつて担任だった先生に「日髙くん、手紙というのはな、封の切り方で期待度が分かるんだよ」と教えていただいたことを妙に納得したことをふと思い出した。中には便箋3枚に渡り、お子様を本学に通わせた(通わせる)思いが丁寧な字で綴られていた。不安を抱いての入学と、保護者会や入学式で挨拶をかわしてくれる生徒や教員の姿にその思いが払拭され「いい学校に・・・」という安心に変わりつつある。安心感が増してきた。と書いてくださっていた。なんとも幸せな気分なのです。ありがとうございます。今度は遠慮なくお立ち寄りください。

お手紙の中に、この「ほぼ毎日」のことが記されていた。楽しみに読んでくださっているとのこと、これも嬉しい。展示や発表を見て歩く途中でも、「こんにちは、読んでますよ、ほぼ毎日」と声をかけてくださる保護者の方も多くいらっしゃった。日頃伝わりづらい学校生活のこと、少しでも知っていただくことができれば幸いです。

 

花丸 素晴らしい2日間だった 心から感謝したい

6月29日(土) ほぼ毎日校長 Vol.58 完成度の高い催し物

「令月の和楽」(文化祭)ポスター候補作品12点 どれも素晴らしい。

 心から感謝をしている教え子たちがいる。出会ってからこれまで、どれだけこの子たちに助けられたか。心の支えになってくれている。男子4人、女子7人の12人のグループで、よく自宅に遊びに来る。一人計算の合わないのは、悲しい出来事で失ってしまったから。もう四半世紀も前の教え子たちであるが、1年として会わなかった年はない。今はみんな家庭を持ち、中には伴侶となった方を連れてくる者もいる。そんな彼らと少しお酒を飲んで、思い出話をすると文化祭の話になる。全くまとまりのないクラスで、ラグビー部の主将でクラス会長を務めてくれていた男子生徒は、職員室に来て「先生、うち(のクラス)ダメです」とぼやいていたのを思い出す。しかし「演劇」をみんなでやると決めてから団結はすごかった。この12人を中心に見事にまとまった。その「絆」がいまだに続いている。高校時代に経験した「率先垂範」や「同僚支援」「方向性指示」などという協働の場で大切になってくる力(リーダーシップ)は、人を育て絆を深めてくれるようだ。

 着任後初めての大イベントに接するにあたり、市原中央高等学校の生徒たちにそんな力を期待した。全く裏切られることはなかった。自慢の生徒たちである。

いい文化祭でした。

お祝い 始まった!令月の和楽(文化祭)

6月28日(金) ほぼ毎日校長 Vol.57 これが市原中央高校の品格

いよいよ始まった。期待していた通りの上質なイベントである。考えている。質を落とさずに簡素に。どうすればいいかをみんなで工夫している。金をかけて時間をかけて作り上げる上質ではなく、アイデアで勝負する。すごい力だと思う。

黒板の中から飛び出しそうなニワトリ。焼き鳥屋の黒板アート。串に刺した肉が美味しそうなのである。

臥していた龍が玉を追いかけ天に登ろうとしている。

古代と現代をつなぐ「和楽」、それは学校全体の持てる力    校長 日髙  学

「令月の和楽」何とも面白いテーマをつけたものだ。もちろん「令和」という新元号で行われる初めての文化の祭典を意識しているのだか、そこに「和楽」(互いにうちとけて楽しむこと)を絶妙につなげている。よくこんな言葉が出てきたものだと感心するばかりである。自分たちの作り出す祭典を気高い、崇高なものに仕上げているネーミングだと感じた。令和の出展の万葉集にある梅花の宴の歌群の序に描かれる宴は、大宰帥である大伴旅人の、大宰府政庁の近くにある邸宅で催された宴とされているが、本校の文化祭のこのテーマには、当時の風流人が催した宴席の華やかさが重ね合わされて、さらに面白さを魅せる。無意識のうちにではあるかもしれないが、現在と古典の世界との「つながり」を認めることができる。ここが本校生徒の能力の高さだと自慢に思うところである。

証が一つある。「今年の文化祭のポスターをご覧になっただろうか。パープルの地に淡いピンク。令月(美しい月)に手をかざす少女。高貴な色とされた「紫」の品格のある色の中で、髪を風になびかせている。まさに「薫る(カヲ・ル)」なのである。先にあげた序文は最後を「蘭薫珮後之香(蘭は身を飾る衣にまとう香のように薫せる)」と締めくくる。その世界をこのポスターは、つややかな美しさとして表現した。このポスターは、テーマのイメージを美術コースの生徒が具現化し、いくつかの候補の中から全教員の投票で選んだものである。もうお分かりのように、今年の文化祭を考えた時に、内面に持った印象を「言葉」(テーマ)として表出し、全く別の者がそれを「絵」(ポスター)としたのである。最後の選定には、市原中央高等学校という小社会で共に生活する教職員の思いまでもが関わっている。

本校の文化祭は学校力の表出だけにとどまらず、その総和としての体をなしている。大いに品格ある楽しみ「令月の和楽」を満喫してほしい。

文化祭のしおり・挨拶から

! カウントダウン! 文化祭まであと1日

6月27日(木) ほぼ毎日校長 Vol.56 まもなくだ!という熱気

令和の和楽が近づいてきた。全てが楽しみなのだが、密かに楽しみにしている企画がある。公の場で(ブログで)語ると支障があるかもしれないので、内緒にしておく。外に出ると忙しそうに立ち働いている生徒たちが大きな声で挨拶をしてくれる。「みんな、文化祭で忙しそうで、校長室が閑散としている。寂しい」と語ると、「でしょう、先生、そんな時は外に出てグルーっと一回り」「そだねー」などとたわいもない会話をしながら、校内を回ろうとすると、「あっ、校長先生、ちょっといいですか?」と教員に呼び止められた。『この無粋者め!』と思いながらも、笑顔で「いいですよぉ」、生徒たちの頑張りに触れる時間がなくなってしまった。しばらくすると、このブログにもっとも出場数の多い2人がやってきた。「保護者会の方々から、先生に被っていただけと預かってきました。」と行ってキャップをいただいた。今までTシャツ、タオルはあったが、キャップは初めてである。嬉しい、嬉しい。被って応援させていただきます。子供のように心がはしゃいだ。