? 心が風邪を引くことってある

7月5日(金) ほぼ毎日校長 Vol.61 特効薬はないのだけれど・・・

 午後の時間帯に出かけることが多くなった。生徒と触れ合う時間が少ない。「ほぼ毎日」の執筆?が滞るのは、原因はこれしかない。何もないはずはないと思いながらキーボードに向かっても、思い浮かばない。一つのストーリー性を持って内容が泉のように湧いてくることもある。決まって生徒との会話や共に笑った「時」の共有がある時はそうである。文章を書くのは得意ではないが、嫌いでない。筆が進まない状態、原因はわかっているのに解決できないのである。部屋を訪ねてくれた先生とそんな話をすると、「心が風邪を引いているんですよ」と話してくれた。なるほど、上手く言ったものである。風邪の菌(原因)は・・・。思い当たる節がある。じっとしていても(生徒から近づいてくるのを待っていても)仕方がないと思って昼休みに中庭に出てみた。ガラスで囲まれたテラスのテーブルにお弁当を広げて、歓談しながら昼食タイムの女子生徒たち。スマホを見ながら何かに興じている男子生徒たち。生徒たちは楽しそうに「お昼」を楽しんでいた。風邪引きの心を持った校長の会話はどうやら、たどたどしいようで、いつものように弾まない。中庭に面したガラスを一匹のアマガエルが、私に気づかれないように少しずつ歩を進めている。抜き足差し足、ゆっくりゆっくり。写真を撮影すると一瞬戸惑ったように静止したが、またゆっくり動き始めた。触りたい衝動にかられた時、志賀直哉の「城の崎にて」をふと思い出した。いかんいかん、こんな風邪引き心の状態で触れると、我にもあらず彼の身の上に不幸を招いてしまうかもしれない。こんな時は、あったかいお風呂に入って、何か美味いものでも食べるに限る。

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