お祝い 始まった!令月の和楽(文化祭)

6月28日(金) ほぼ毎日校長 Vol.57 これが市原中央高校の品格

いよいよ始まった。期待していた通りの上質なイベントである。考えている。質を落とさずに簡素に。どうすればいいかをみんなで工夫している。金をかけて時間をかけて作り上げる上質ではなく、アイデアで勝負する。すごい力だと思う。

黒板の中から飛び出しそうなニワトリ。焼き鳥屋の黒板アート。串に刺した肉が美味しそうなのである。

臥していた龍が玉を追いかけ天に登ろうとしている。

古代と現代をつなぐ「和楽」、それは学校全体の持てる力    校長 日髙  学

「令月の和楽」何とも面白いテーマをつけたものだ。もちろん「令和」という新元号で行われる初めての文化の祭典を意識しているのだか、そこに「和楽」(互いにうちとけて楽しむこと)を絶妙につなげている。よくこんな言葉が出てきたものだと感心するばかりである。自分たちの作り出す祭典を気高い、崇高なものに仕上げているネーミングだと感じた。令和の出展の万葉集にある梅花の宴の歌群の序に描かれる宴は、大宰帥である大伴旅人の、大宰府政庁の近くにある邸宅で催された宴とされているが、本校の文化祭のこのテーマには、当時の風流人が催した宴席の華やかさが重ね合わされて、さらに面白さを魅せる。無意識のうちにではあるかもしれないが、現在と古典の世界との「つながり」を認めることができる。ここが本校生徒の能力の高さだと自慢に思うところである。

証が一つある。「今年の文化祭のポスターをご覧になっただろうか。パープルの地に淡いピンク。令月(美しい月)に手をかざす少女。高貴な色とされた「紫」の品格のある色の中で、髪を風になびかせている。まさに「薫る(カヲ・ル)」なのである。先にあげた序文は最後を「蘭薫珮後之香(蘭は身を飾る衣にまとう香のように薫せる)」と締めくくる。その世界をこのポスターは、つややかな美しさとして表現した。このポスターは、テーマのイメージを美術コースの生徒が具現化し、いくつかの候補の中から全教員の投票で選んだものである。もうお分かりのように、今年の文化祭を考えた時に、内面に持った印象を「言葉」(テーマ)として表出し、全く別の者がそれを「絵」(ポスター)としたのである。最後の選定には、市原中央高等学校という小社会で共に生活する教職員の思いまでもが関わっている。

本校の文化祭は学校力の表出だけにとどまらず、その総和としての体をなしている。大いに品格ある楽しみ「令月の和楽」を満喫してほしい。

文化祭のしおり・挨拶から

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