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花丸 昼休みは学校力のバロメーター

4月19日(金) Vol.15 明るい、格調高い昼休み

今日は昼休みの様子を見に行こう。朝から決めていた。これまでの経験から、玄関の空気と昼休みの様子を見るとその学校が、どれほどの学校力を有しているかがわかる(と思い込んでいる)。品格をもつ者たちの学び舎の玄関は、空気が凛としている。どんなに古くても、どんなに狭くても、玄関はそんな顔つきがある。そして昼休みは、そこに集う生徒たちのエネルギーとその質がよくわかる。「よし出かけるぞ」と立ち上がった途端、先手を取るように、「失礼しますっ!」と声を揃えて大きな挨拶をして野球部のいつもの二人が入ってきた。県大会抽選の報告である。

4月27日(土) 11:20開始 長生の森球場 VS県立安房高等学校 よろしくお願いします!

昇降口付近にいくと、長蛇の列が整然とできている。中の女子二人が、笑顔で大きな声で「先生、こんにちは」と声をかけてくれた。「はい、はい、こんにちは」(生徒諸君、校長がこの挨拶をする時は、『えーっと、この子達は、校長室にきた子だっけ?』と考えています。ちょっと繕っています)「なんの列なの?、あっ、パン。美味しいの?」と尋ねると、「はい、とても美味しいんです」と写真用のポーズまで決めてくれた。ご協力ありがとうございました。何気ないふれあいなのですが、彼女たちの知性が伺える素敵な時間でした。いいなぁ、うちの子。

 混声合唱の声が聞こえる。生徒会のみんなが「3階フロアですよ」と教えてくれた合唱部の活動のようである。ミーティングを終えた野球部の面々が壁を作っている向こう側から、美しい歌声が聞こえる。1年生の歓迎合唱。一見縁遠そうに見える(失礼)色の浅黒い球児たちが足を止めて曲に聞き入っている。この光景はすごいと思った。その魅力が歌声にもあった。しかし、それ以上に、このイベントに足を止めて、しばらくたたずんでいる生徒たち。誰に言われるでもなく表出された興味・関心、彼らの持つ格調。そしてこの学校の豊かな学校力を見た気がした。新たな発見。外部のみなさん、市原中央高等学校の本当の魅力は、昼休みですよ。

それにしてもあの長蛇。私があの「とても美味しいんです」パンを口にするのは、なかなか難しそうである。

眼鏡 コミュニケーションのレスポンスがいい

4月18日(木) Vol.14 遊びに来ましたー!

おや?今日はカップルだ。男子は「先生、初めまして」女子は「2回目です」。『二人はどういう仲だろう』と表情に出たのだろうか、(女子)「廊下であったので連れてきました」ということであるそうだ。Vol.8に登場した茶道部の女の子である。今日はメガネをかけていたのでわからなかった。先日の宿題の答え考えてきたという。『宿題って、なんだっけ』「窓です。丸い窓(和風)と四角い窓(洋風)どう違うという宿題」忘れてしまっていることを、また気取られてしまったようである。しばらくの間、窓を巡って雑談をした。二人ともかなりレスポンスが良い。教師(教える人)、生徒(教えられる人)という関係だけで成り立っている授業では、到底広がらないような領域にまで話が及んでいる。外と中をつなぐは共通だけれど、固定と可変、繋ぎ方が違う、「違う」だけに終わらず、「なぜ違う」「違うことが意味するものは?」と会話が深化していくのである。内容が山場に差し掛かった時、チャイムが鳴った。あらぁ、今日合唱部の一年生歓迎の会があったのだ。見に行けずに申し訳ないです。ドアを出たところで男子が振り返り、「先生、定期演奏会のこと取り上げてくださってありがとうございます」そうか、君は吹奏楽部なんですね。

喜ぶ・デレ 生徒の声で救われた

4月12日(金) Vol.8 私たちが一番乗りですか?

残念ながら、君たちより前に生徒会長が来てくれた。「あぁ、琴◯さまかぁ」言葉に揶揄の影はない。何がというわけではなく、一目置いている、彼女たちなりの敬意が、表現にエスプリが感じられて面白かった。そうそうダンスの発表会、招待してくれると言っていたけれど・・・と、かつての愉快な、そしてひやりとした思い出話をした。ブログの材料集めに出かけると、大抵写真を撮る。こうしたスナップならなんでもないが、スポーツの大会などは一眼レフ+大きなレンズで撮影することが多い。女子バレー部の活躍を撮っていた時、周囲の保護者から寄せられる冷ややかな視線を感じた。それはそうだろう、ラフな格好でカメラを構え、女子高生を撮影するおじさんは・・・。しかしまさか「私は校長です!」と大声で叫ぶわけにもいかず。一人の保護者と目があって、気まずく会釈をして困惑しているときに、私に気づいた部員が「校長先生!応援ありがとうございます」と大きな声でお礼を言ってくれた。救われたんだよ、その場の空気から。聞いていた3人の生徒たちは、お腹を抱えるようにして大笑いをしている。中の軽音楽をやっているという一人が、「先生、大丈夫です。私たちもちゃんと大きな声で・・・」まぁ、それはそれで気恥ずかしいような。豊かな時を過ごせました。ありがとうございました。PS「あいみょん」先生わかります。

にっこり コロコロとよく笑う

4月11日(木) Vol.7 校長室に来た3人の生徒たち

机に向かっていると入口あたりに人の気配がした。影が、少し遠慮がちに覗いては消え、また現れて私の視線を感じては、また消えて、気配はするが姿がなかなかはっきりしない。影=人(人格、存在)そのものとはよく言ったものだ。見えない「影」に向かって「どうぞ、入っておいで」と呼びかけると、3人の女子生徒が笑顔を見せてくれた。「いいんですか?」「初めて、校長室」「へぇ」などと口にしながら、部屋全体を見渡している。しばらくの間3人を相手に(ではなくて、3人が私の相手をしてくれて)時を過ごした。コロコロと明るくよく笑う生徒たち、部屋の中がパッと明るくなった。中の一人がダンスをやっているという。今度発表会がある時には、招待していただけるそうだ。今から楽しみにしている。

訪問者たち、嬉しかった!

4月9日(火) Vol.4 野球部、清掃担当、生徒会長

眼力(めぢから)がある。みんな笑顔で会話してくれるのだが、目に力がある。最近、のほほーんとしてきた私より、ずっと。

一番最初に校長室を訪ねてくれたのは、野球部の2人である。「公式戦がはじまります。ぜひ応援をお願いします」おそらく以前勤めた学校でも、野球部の応援に足繁く通っていたことをどこからか聞いたのだろう。日程は?明日(10日)、また急な話だねぇ。併せて、明日は入学式です。とても・・・。申し訳ない。

真ん中の写真は、清掃担当の諸君。これからよろしくお願いします。ちゃんと机の上は片付けておきます。

最後にきてくれたのは生徒会長。名前に「琴」がつくので、「『琴線』って知ってる?」と聞くと見事に答えてくれた。なかなか高校生が触れることの少ない語彙である。いい教養の環境で育ってきているんだろうなと思った。とりとめもない話をしばらくして、「そうそう、先生。私お礼にきたのです」と、Vol2で書いた冊子の原稿のお礼をいただいた。美術コースの生徒に書いてもらうところ、連絡が取れないので、生徒会の一年(現二年)の女子が書いてくれたのだという。「でも、でも、表紙は校長先生!」と言ってくれた。描いてくれた生徒の気持ちと、生徒会長の双方に対する心配りが感じられ、嬉しかった。「あら、随分本人より本人らしい似顔絵」とは、40数年連れ添った奥様の評価である。