2019年7月の記事一覧

笑う これやってみませんか? この指とーまれ!

7月17日(水) ほぼ毎日校長 Vol.71 考えるとはどういうことか?

 語学研修の行程も無事進んでいるようである。体調を崩しているものはいないか?環境に馴染めず寂しい思いをしているものはいないか?などと心配したが、杞憂であったようである。16日の大学での様子がレポートされていた。明日から姉妹校に行く。プレゼンテーションの総仕上げのようである。緊張せずにうまく表現できるといいな。これもきっと杞憂なのだろう。

 ここのところ何かと話題を呼んでいる「哲学対話」。地域や学校での実践が盛んに行われている。仕掛け人は、梶谷真司(かじたに・しんじ)氏。「問う、考える、語る、聞く」ための方法を、実践しているうちに身に着ける。自然に体内に入ってくる。正解を求めて⭕️や❌で評価する。正解があってそれに繋がる理解を求める。そうした学びの過程も大切であることは確かなのだが、ここで培われる力は「考えること」なのである。それが哲学対話。SLPやBLPなど、協働で養うリーダーシップを少し推進してきたので、この試みには大いに興味がある。実践している高校の哲学対話に、昨日参加する機会があった。
 この日は考査の午後ということもあって、自由参加になっている部屋に訪れる生徒は少なかった。それでも10名ほどの生徒の参加がある。自主的に、それも考査の午後に集まってくる。彼らにとってここはすでに「居場所」なのである。始まった、今日のお題は「ドラえもんはのび太の役に立っているか」である。話は自由に八方に飛ぶ。ルールに従って話が展開していく。「人間とロボット」「ロボットの開発理由と意味」「人間ってなに?他の動物とどう違う?」などなど、本当に自由である。ファシリテーター役の東大の院生が時々軌道修正しながら、あっという間に1時間がすぎていくのである。生徒たちは学ぶ(studying)のではなく、学ん(learning)でいる。知らなかった発想に、世界に、自分を変容させている。結論はない。むしろ混沌とした「分からなくなった」という状態に陥っていくのである。とにかく面白い、夢中になる世界である。
 参加しているうちに、その学びが、本校の校長室を訪れた生徒との会話の世界と同じであることに気づいた。内容こそ異れ、見方によっては、本校でがより上質なものが展開されている。そこで気の早い校長は考えた。「これ、本校でやりませんか?」である。「いつでもどうぞ」でも敷居は高いかもしれない。放課後やっている学習活動の一コマに入れてみればどうだろう。

 生徒の皆さん、学年を問いません。やってみようかな?という人「この指とーまれ!」
 時間設定は指に止まった人と一緒に考えましょう(この夏休みからでも、休み明けからでも)
 担当(ファシリテーター風)は、校長
 場所は校長室     でいかがでしょう。ご質問は校長まで、どうぞ遠慮なく。


花丸 これができる高校生はそうはいない 市原中央高校はすごい

7月16日(火) ほの毎日校長 Vol.70 いきなりマシュマロチャレンジですか

  「 英語コース海外語学研修2019」の様子が、英語コースHPで報告されている。大学(ACU)での研修にいよいよ突入。ホストファミリーたちと和やかな時も過ごしているようだ。
 大学では、研修の前のアイスブレイクに「マシュマロチャレンジ」をやったと報告があった。ちょっと面白いゲームである。ある大学のSLP(StudentLeadershipProgram)や先輩との交流授業で、私が使った反転授業用のビデオを使って紹介してみることにする。同じ母語を持つ者同士でもなかなか難しい意思疎通(コミュニケーション)と、協働作業で展開していく。私が行ったのは、串の代わりにスパゲッティ。さらに難易度が高かったかもしれないが、反転授業ビデオと写真を見ると、どれほど会話力が必要かがわかっていただけると思う。
 しかし、外国の大学に行ってこれがすぐできる高校生はそんなにいない。本校の英語コース(来年度からはグローバルリーダーコース)のレベルの高さがこれだけでもわかる。

すごいね、市原中央高等学校!

 
 反転授業とは、「新たな学習内容を、通常は自宅でビデオ授業を視聴して予習し、教室では講義は行わず、逆に従来であれば宿題とされていた課題について、教師が個々の生徒に合わせた指導を与えたり、生徒が他の生徒と協働しながら取り組む形態の授業」(ウィキペディア・Wikipediaから)
 この試みでは、上のゲームルールをあらかじめビデオ視聴により、自分で理解しておいて、当日はすぐにチームで協働作業を始めています。

お知らせ 支え、支えられている喜び

7月15日(月・祝) ほぼ毎日校長 Vol.69 中庭で、昇降口で

  野球大会の初戦を2日後に控えた10日、昼休みに野球部と応援団の生徒が中庭に集まって、応援の披露をし、日頃の支援へのお礼と今回の応援のお願いをしていた。もうすでに応援の中心になっている野球部員の声は枯れ始めている。数日前から体育館ステージで放課後振り付けを練習していたチアの諸君の動きも徐々に揃ってきた。昼食を終えた生徒たちがベランダから顔を出し、挨拶の言葉に拍手を送っていた。ガラス張りのテラスでの円卓で昼食を摂っていた女子生徒たちは、箸を持ったままその光景を眺めている。「大きな音で、落ち着いて昼食摂れなかったね」と声をかけると、「魅入ってしまいました」「夢中なんですね」と仲間たちの熱い想いを感じ取っているようだった。

次の試合は

対 県立磯辺高等学校

7月16日(火)  ゼットエー球場  第一試合 9:00から

飛行機 語学コース 海外研修無事 現地到着

7月14日(日) ほぼ毎日校長 Vol.68 大変だったねぇ

 2019年度英語コース2年生の語学研修が無事スタートした。現地に到着した団長の教諭から8時20分に全員元気でスタートを切ったと連絡が入った。よかった。一昨日、出発ロビーで「行ってらっしゃい」と見送った後、予想しなかったトラブル発生。飛行機が不具合が見つかってフライトができないという。長い時間待たされた結果、その日の出発は無理ということになって1日ホテル泊。翌日(13日)に同じ便で出発ということになった。
 再出発の日、出発ロビーに行ってみると長蛇の列に生徒たちが並んでいた。荷物預かりに時間がかかっているようだ。心配して駆けつけてくれていた一年の担当教員が私を見つけ、「まだ、だいぶかかりそうです」と気の毒そうに声をかけてくれた。生徒たちに会えたのは、それから2時間後。列に並び始めて2時間半以上は経っている。受付を済ませた生徒たちに、「大変だったね。」と語りかけると、ひとりの生徒が、「それはそれで楽しかったです」と返してくれた。ポジティブな考えに周囲が賛同している。今ある姿や目の前の状況を捉え返して前向きに考える。そう簡単にできることではない。

 また一つ本校の生徒たちの素晴らしさを感じ取ることができた。いいね!
密度の濃い、いい経験たくさんしておいで。

重要 11−5 Vs 木更津高等学校 part3

7月13日(土) ほぼ毎日校長 Vol.67 外伝(気になっていた生徒)

 一人の選手のことが気がかりだった。誠実な目をした彼は、しっかりと相手を見つめて話を聞くことができる。その視線と目の輝きをみているだけで彼自身の野球への取り組みの真摯さ、いや大きくは「生きる」ことへのまっすぐな姿勢を感得できる。好青年である。最後の試合『彼が報われる結果がでてほしい』と思っていた。彼のことである。たとえ自身にその結果が訪れなくても、チームのため仲間のために全力を尽くせるだろうとは信じていた。大会の少し前に練習試合で指を骨折した。痛い怪我である。肉体的にも精神的にも。察するに辛かった。
 対戦相手も決まった大会直前、挨拶に部屋を訪れた。先に書いたことを聞きづらかった。「とにかく全員野球で頑張ろう。一試合でも多く。決勝で兄弟校と対戦しよう」と声をかけておいた。「ハイ、ありがとうございます。応援お願いします」と応えたのち、しばらくして彼の方から「先生、僕はスコアラーとしてベンチに入れていただけます」と報告してくれた。「よかった」と心から思い、忘れられない教え子のことを語った。「私はその子のことが大好きた。誇りに思う。同じような教え子がまた一人増えたな」と締めくくった。彼と一緒に来ていた生徒の目に涙が浮かんでいた。頑張っても頑張っても結果として報われない者もいる。腐らず、焦らず、諦めず。現実をしっかりと受け止め前に進もうとする。そんな努力の人の存在がわかっているから、その辛さも背負いながら試合に臨める生徒たちである。
 人の痛みをわかる青年たち、その存在をリスペクトできる彼らは強い。力の限りを尽くしてほしい。それが自分自身への正直な姿である。
 今大会初戦の応援をしていて、ベンチを乗り出すようにしている彼の背中を見た。アルプススタンドで背番号のないユニフォームに身を包み、声の限りに応援する者たちの姿に間近で触れた。強くたくましく育っている。市原中央高校生、誇りです。