2019年8月の記事一覧

体育・スポーツ 「あらた」の意と「信」の重みを感じて欲しい

8月22日(木) ほぼ毎日・校長 Vol.92 結果としての惜敗

  市原中央 000 000 000  0

  志學館  000 000 10✖️ 1

 立秋を過ぎた。正確には「立秋が始まり間も無く終わる」になるのだろうが、夏とはいえどことなく秋の気配漂うこの頃である。野球の秋季大会の始まり。こんな行事の始まりに秋の気配を感じる者もいるかもしれない。試合開始には少し遅れたが、応援に行くことができた。両校ともがっぷり四つに組んだいい試合展開だったと私は思っている。野球通の御仁は、「あの時のあのプレーが」とか「あの時の交代が」といった深い知識や洞察力で評価をなさるが、私にはよくわからない。ただこの夏の大会でベスト4に入ったそのメンバーを残してのチームスタート。その中に、今まで自分たちを支えていた糸が、今回の大会から変わったことを選手たちに気づかせくれる試合だったのではないかと、私は思っている。
 上手い下手、試合慣れ、術数に長けた試合運び。色々と言い方はあるかもしれないが、守備のうまさやバッティングの強さを本領発揮させてくれる「何か」の存在に気づいたはずである。『あれぇ?なんだ?この前までは繋がっていたのに』『えぇ?あのタイミングではアウトが取れたはずなのに』といった微妙なズレを生じさせている「何か」である。それが「信」だと私は思っている。これまで培ってきた本校野球部のチームにあった「信」とは、似て非なるものである「信」である。それが太くなれば「勝利」に繋がる。気づかずそのまま過ぎると「勝利」は遠のく。
 「新チーム」の「新」は、「あらたまる」(新しくなる)=「改まる」(変わる)ことである。自分たちの「信」、改まった「信」、ぜひ築いて欲しい。

 いい試合を見せていただきました。感謝。応援に来ていた3年生諸君、ありがとう。わざわざ駆け寄ってくれてみんなで挨拶をしてくれた。嬉しかった。やはり市原中央高等学校は、生徒が誇りなのである。

学校 生徒がいる学校が一番!

8月21日(水) ほぼ毎日・校長 Vol.91 もう平常授業のように

 チャイムが鳴った。『チャイムの音色を替えたのか?』と思っていたら、夏季セミナー用の特別なチャイム。聞きなれない新鮮な気持ちで聞くと同時に、様子が見たくなったので、ぐるーりと学校を一回り。通常の授業なら、遠慮なく中に入っていくのだが、写真のような真剣な取り組みの様子に圧倒されて、外から覗かさせていただいた。「エェーっ、なんで。なんでなん?」数学科の若い先生(本校の卒業生)である。よく声が通るので、廊下の端にいてもすぐにわかる。声に誘われるように、教室の後ろから拝見。「ちゃうよぉ、それをこんな風に捉えるさかい、まちごうてしまうねん。」彼の生い立ち、経歴を知りたくなった。綺麗な嫌味のない、上質な(上品な?)関西弁を使う。関西人の私が言うのだから間違いない。それよりも何よりも、この先生の授業は「会話」が成立していることに驚きを感じている。数学の授業でここまでできる教員は珍しい。生徒もすごい。時を選ばず手をあげて、「先生・・・」と質問を投げかけ、納得するまで食い下がっている。「わからない」「理解できていない」ことを解決して「分かる」「理解できた」に変えるプロセスが、コミュニケーションで展開できている授業。これ、いいわぁ!きっとこの先生の授業では「わからない」を表明することにためらいはないのだろう。それと、「何がわからないのか」が分かる時空になっているのだろうと思う。夏休み明けにじっくり1時間拝見しようと思う。
 渡り廊下を歩いていると、硬式テニス部の部員たちが私に気づき、一斉に練習をやめて挨拶をしてくれる。この部活はここが大好きだ。礼儀正しくけじめがちゃんとついている。みんなの目がこちらを向いているので、ちょっと緊張しながら「暑いのによく頑張っています。雷鳴が聞こえたら、すぐに練習止めるんだよ」(う〜ん、もう少し気の利いた言葉があったろうに)
 廊下に貼られているインターアクトのポスターを発見した。通常の学校ではマイナーな活動体である場合が多いのだか、本校では結構メジャーな集団である。(意外と在校生はその活動の実態を知らないのかもしれない。ふとそう思った)「キャップ回収協力ありがとう!」ポスター。簡潔明瞭に書かれているのだが、必要事項が明確に示されている。「私たち(本校生徒たち)の活動結果」が数値で示されている。小さな一つの所作が、協力が、こんなに多くのこんなに大量の成果につながっている。それがちゃんと示されているのである。

141,298個(3,826kg)

 =ポリオワクチン9,823人分

 =61,887kgのCO2削減

説得力あるなぁ。海洋汚染のプラゴミ問題で言うと、そのまま3,826Kg/800万tの削減になっているのだよなぁ。

すごい。ちゃんとここまでできる生徒たちの活動(インターアクト)が、メジャーである市原中央高等学校って、すごい。みんなで考えてみませんかSDGs

会議・研修 グローバル・リーダー・プログラム(1年生)

8月20日(火) ほぼ毎日・校長 Vol.90 自分の不摂生をこれほど悔やんだことはない
 旅先で台風の直撃を受けないうちに・・・と考えた理由の一つが、今日の報告である。1年生の英語コースが8月16・17・18日の2泊3日で市原市内のホテルに缶詰になり、彼らにとっては初めてのプログラム経験をすると聞いていた。ぜひ参加して様子を知りたかった。急いで最終日は夜通し東名高速を走れば、18日に間に合うかもしれない。それほどに楽しみだったのである。
 過日、ゴールドマン・サックス社で実力を発揮してくれた彼らである。全く心配することはなかったのだが、はじめでつまづくと挽回が大変である「うまくいくといいなぁ」という祈る気持ちもあったことは確かである。担当の先生にメールで、体調不良で伺えないことをお伝えすると、「無理なさらないでください。でもものすごい成果、成長ですよ」と返信をくれた。病気で楽しみにしていた遠足に行けなくなった子供のように、ただただ残念であった。

 目の前に英語科の若い先生がいる。アクティブな学びについて、非常にいいものを持っている先生である。教育実習生の指導でそう感じた。昨日(19日)朝一番で部屋を訪ねてくれたのである。興奮冷めやらぬ様子で、「すごいですよ。本当にすごいんです」女子が感動をなんでも「可愛い!」で表現するように、「すごい」を連呼している。「おぁ、すごいんだ。で、何が?」整然と語られていなかった研修の様子を丁寧に語ってくれた。
 Program=生徒のリーダーシップを伸ばすための仕掛けが段階を踏んでできている
 Peers=協働の中で自己を変容させ、成長している姿と、率先垂範、方向性指示がちゃんとできている。
 Passion=情熱的に取り組む姿勢が貫かれていた。情熱を傾けられない者への同僚支援。そんな難しいことまでできていた。
 Play=笑顔が絶えない、創造を楽しむことができた研修だった。
 「校長先生!これいいですよ。学校のあらゆる場面に導入しませんか」と熱く語ってくれた。嬉しいことである。彼の一連の話の中に、この取り組みや、教職員の努力、何より生徒の学習成果に肯定(Positive)が見られた。最高の評価、営みだと思う。感謝。

市原中央高等学校の新たな舵取りの方向性が見えてきた気がする。教育に5つのPがある。いい学校です。

嵐 嵐の夜 いい人情に触れた いい人に出会った

8月19日(月) ほぼ毎日・校長 Vol.89 ここはどこだろう、あの小説の行間はこの景色を見なければ

 夏風邪を引いたようである。「鬼の霍乱」使うが漢字がかけそうにない言葉の一つである。「霍乱」とは辞書によると「日射病や暑気あたり」とある。滅多に体調を崩さないから「鬼」であってもいいか。
 郷里に車で帰っていた。前半の激しい暑さと、台風10号の直撃で、さんざんな旅であったが、元気な母親の顔が見られて、それはそれなりにいい旅だったと評価しよう。しかし、郷里から少し足を伸ばした旅先で体調を崩した。最後に宿泊した宿の女将はいい人で、台風が近づいてくるのを気遣って、「このあたりはとても穏やかないいところなんですよ。瀬戸内の夕陽は黄金色に輝いて・・・」と土地自慢をしながら、「来てください。もう一度来てください。こんな日では気の毒です」と、台風の接近する前に宿を出ようとする私たちをしきりに気遣ってくれた。「今からお通りになる道は、のたりのたりとした海のそばをゆっくりと曲がりながら、その向こうに浮かぶ島の黒い影。空と海の境がわからなくなるような黄金色の夕陽・・・」聞いているだけで情景が浮かびそうである。幼い頃、生まれ故郷の近くの海で見た夕陽の情景である。もう何年も前、教職についていたから30をとっくに過ぎた頃のことである。大学で教鞭をとっているという友人のお父さんと、瀬戸内の夕陽の素晴らしさを語り合ったことがあった。染みるように心に残る情景の一つである。
 女将の気遣いと人柄に、太宰の富嶽百景に出てくる老婆を思い出した。「また来ますよ。必ず」そう応える私に、「本当ですか。そうしてください。こんな日でなければ」と、また気遣ってくれた。その前日に写真のような光景を眺めていた私は、女将が何をどう語りたいか絵を見るより鮮やかに想像していた。いや、実際の風景の持つ美しさより美しい「印象」の瞬間(とき)を心に刻んでいた。『女将さん、ありがとう』しっかりとお礼も言えずに、追われるように宿を後にした。最後にいただいた湯が本当にいい湯だった。あの湯の後で、車のクーラーで冷えてしまったのか。風邪を引いてしまった。鬼の霍乱。

 さて、校長はこの夏休み、郷里から足を伸ばしてどこに行っていたのでしょうか。答えが分かったら校長室にどうぞ。
 ヒント 明治維新、秋山兄弟、正岡子規

重要 ついに待望のあの動画が公開された 要視聴

8月14日(水) ほぼ毎日・校長 Vol.88 Nコン 創作テレビドラマ部門 準優勝作品

制作意図 一昔前では男性が上、女性が下という差別的な風潮、男尊女卑がありました。今では男女平等が当たり前の世の中になり、男尊女卑という言葉自体もあまり聞かなくなりました。しかし、僕たちの高校生活の中ではその男女平等を逆手にとった女子から男子への差別、女尊男卑を度々受ける時があります。男尊女卑ではなく、女尊男卑について知って欲しいという思いから創作しました。(「NコンWEB」より)

 ツイッターに放送委員会のつぶやきがあった。「今日Eテレで放映されます。見てくださいね。」ちょうど移動中で見ることができそうにない時間帯である。拝見したかった作品であるだけに、残念に思っていた。録画予約もしていない。心から申し訳なく思っていると、次のツイートには「NコンWEBで見て頂けます」とあった。早速拝見した。面白かった。本校の生徒の特徴がよく表現されている。もちろんこの動画の内容の「女尊男卑」=本校の特徴ではない。何気ない日常に自然に見られる光景や言動。それをちょっと皮肉って描いてみるとこうなるのかな。ちょっと面白スパイスを利かせるとこうなるのかな。その「皮肉って」や「面白スパイスを利かす」のさじ加減が難しい。下手をすると「お決まりのね」「なんだかベタつく展開」になってしまいがちなところを、それをさらりとやってのける力がある。そんなところが本校生徒の特徴なのである。見終わって「ある、ある」ちょっとした皮肉や中傷にも「ははは」と笑って済ませるかと思わせる。そうした展開が面白い。上の画像にリンクを貼っておいたので、百聞は一見にしかず、ぜひご覧いただきたい。下手なテレビのコント作家やお笑いライターよりずっとうまい。8分間という決められた時間に、よくこれだけまとめられたものだと感心している。いい瞬間(とき)を過ごしている。

 うちの生徒、力ある。またひとつ自慢が増えた。いいね、市原中央高等学校!

PS
人生の先輩から一言(男子=私)
  一昔前もふた昔前も、私が高校時代もこういう世界はありました。
  ある意味男女の機微の「核」を描いているのかも・・・。
人生の先輩から一言(女子=私の奥さん)
  よく見てるわねぇ。すごいわぁ!