そうか、ここに来ればよかった

2019年6月11日 13時54分

6月11日(火) ほぼ毎日校長 Vol.44 生徒会室いつも満員御礼

 「令月の和楽」今年の文化祭のポスターが貼り出された。パープルの地に淡いピンク。令月(美しい月)に手をかざす少女。紫の高貴な品格のある色の中で、髪を風になびかせている。まさに「薫る(カヲ・ル)」なのである。つややかな美しさ、このポスターを手がけた生徒は誰だろう。13枚の候補の中から選出された一枚。もちろん「令和」の「風和らぐ」を視覚的に意識した作品なのだろう。見るものにその意図を感じさせる。かつて読んだ書物の中で、確か和歌の解説であったと思う。「きよし」と「さやけし」は違う。物その物がもつ「きよし」によって対する者の心が浄化される状態それが「さやけし」と書いてあった記憶が蘇る。このポスター「見る者の心を洗うほど」なのである。

 ぼんやりとポスターを眺めていると「こんにちは」と明るく挨拶をしてドアの向こうに隠れていく影。生徒会の生徒である。文化祭が近いのでコトコト忙しそうにしている。『お邪魔かな』と思いながら中を覗くと、案の定、みんなが何かに取り組んでいる。「何しているの?(あーそぼ!)」と声をかけると、PCの方を向いたまま、「はい、クラスの出し物の説明文の活字化です。」と答えてはくれるけれど、応えてくれない(あーとで)なのである。察してくれたのであろう、生徒会顧問の先生が「◯◯さん、校長先生のお相手」と一人、遊び相手をあてがってくれた。嫌な顔もせず「はーい」。ところがこうして改まると、何を話していいかわからない。「えっ、まぁ」などと柄にもなくドギマギしていると、「校長先生、私、生物で97点とったんです。もう、最高」と話題を提供してくれた。それを機会に、そこここに座っている生徒が代わる代わる相手をしてくれる。あっと言う間に時がすぎていった。出来上がった学校案内を見ながら、「素敵なパンフ。表紙はタマちゃん。友達なんです」「アレェ、校長挨拶なんて書いてるけど、これ校長先生ですか?」「えっ、違う」と写真と私をしきりに見比べている。写真が悪いかな?写真変えるかな?

生徒会室、ここに来ると市原中央高校が、グッと凝縮されているようだ。そうか「校長は寂しい( ;  ; )」時にはここにくればいいんだ。生徒会の諸君、忙しい中お付き合いありがとうございました。

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