晴れ 夏は人生のターニングポイント

7月19日(金) Vol.74 放送による校長講話

 放送室から校長講話、以前にもやったことがあるが、なかなか話しづらいものである。相手の表情が見えないというのはこれはコミュニケーションにとって致命的なものなのかもしれない。ただ何かを伝達するだけでなく、伝えたい、思いをわかってほしいというものがあればあるほど。もっとゆっくりと時が流れている頃には、手紙の文面の行間を読むとか、電話の沈黙の時間から感情や心理を推測するとか、大切な営みが個人の中で行われていたのかもしれない。
 長期の休業を迎えるにあたって、君たちに伝えたかったこと。高校生活の3年間は人生のターニングポイントとなる経験や思いが多くある。ぜひ豊かな、いい夏を送ってほしい。

 放送室から中庭が見える。清掃を終えた3年生が外に出て何かお話をしている。目ざとく私に気づき、手を振ってくれた。手を振り返し、カメラを構えると、ハイ、ポーズ。ただこれだけのことだが、幸せな時空間なのである。そんな時や空間があるところ、それが市原中央高等学校。いいね

夏季休業前の放送講話

夏季休業中を迎えるにあたり、生徒諸君に一言お伝えしておくことがある。
話は目で聴くといいながら、諸君の表情が見えないことが残念である。
これからの人生を歩む中で、自分を支えている様々なことの原点を辿ってみると、高校時代の体験、経験、考えに行き着くことが多いということに気づく時がきっと来る。
実はそうではないのだろうけれど、明確に辿れるのは高校時代であると私は思っている。
私ばかりではないだろうと思う。周辺の大人に聞いてみるといい。同じような感想をもらえるのではないかと思う。
今なぜこんな映画を好むのだろう。ショーウィンドウの中のあの時計が気になるのは?など、大きく言うと「私って何?」そのルーツを辿ると、明確に意識できるものが多いのは、やはり高校時代だと思う。
その意味で、君たちには、この高校での日々を大切にしてほしいと切に願う。

 先日、数名の生徒と話をする機会があった。
他の者に誇れる何か夢中になっているものはあるか?共通の問いかけをしてみた。

1人の生徒は、きっぱりと答えた。勉強です。
誰にも負けないだけやっている自信があります。進学を考えているんだから当然です。効率や身についたということについては、人より優れているかどうかはわかりませんが、今までの中で、これほど「やっているな」というほど勉強に打ち込んでいることはありません。

ある生徒は自信なさげに答えた。「それがないんです」
「じゃあ、少しの時間先生とゲームをやろう」
ゲームのあとで、その生徒は「人生観変わりました。目標が見えた気がします」と答えた。生まれ変わった気がする。真剣に目標に向かって頑張ったことがない過去を振り返り、スタートをする決意をしたという。頑張ってほしい。

この夏は君たちにとって人生のターニングポイントである。ほんの少しの経験が、ほんの少しの振り返りが、大きな前進を生む絶好の機会である。

上質で豊かな夏を過ごしてほしいと思う。
休み明けには、元気な顔を見せてください。  いい夏をお過ごしください。

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