ほくそ笑む・ニヤリ 「お弁当なしね」が生んだ出会い

6月21日(金) ほぼ毎日・校長 Vol.52 唐揚げ弁当350円

 私ごとですが、奥さんが出かけるときはお弁当がありません。そんな時は、生徒の昼休みが始まる前に食堂でお弁当を購入することにしている。ボリュームのある弁当が350円と、かなりリーズナブルである。写真は唐揚げ弁当。今日もこれにする予定でしたが、来客があり昼休みが始まって少し時間が経ってからになってしまった。案の定、食堂には行列ができている。「食券の最後尾は?」独り言のように言うと「先生、ここです」と招いてくれた。私の後に2人の女子生徒。どうやらここが終わりのようで、その後は誰も並ばなかった。後ろの二人と色々とお話をさせてもらった。「食券はあらかじめ販売数が決まっているの?」とか「私で売り切れるといけないから、先に買えばどう」といった類の、たわいもない話なのだが、こう言う時間が一番好きである。この17日から販売を開始した売店。ちょっとしたスナックやアイスクリームが売っている。「もう利用した?」「はい便利に使っています」「一番のお気に入りはアイスクリーム」だそうである。列の途中にノートを見ながら並んでいる生徒がいた。「すごいなぁ、行列の中で勉強か?」と問いかけると、下を向いてしまった。そばにいた友人が「追試験があるそうです」と、小声でこっそり教えてくれた。よく考えもせず「そうか、追試か、頑張れ!」と大きな声で励ましたものだから、耳まで真っ赤にしてさらにうつむいている。申し訳ないことをしました。ごめんなさい。

「お弁当なしね」が生んだ素敵な出会いである。感謝。

部屋に帰ると、いつもの野球部の二人が待っていた。抽選の報告に来てくれたのである。「高校球児としての最後の夏を飾るのに、いいくじを引いたね」と迎えると、二人で声を合わせるように「はい!」と大きな声で返事をしてくれる。清々しい空気で部屋が満たされるのを感じた。ありがとう。

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