花丸 正解のない答え合わせと100点ダルマ

6月18日(火) ほぼ毎日・校長 Vol.49 少年の話・・・答えは?

 ほぼ毎日校長Vol.36「ニライカナイから神が来る」の中で登場した案内役の少年、どうして祭りの話を聞かせてくれるごとに、「おじさんはいい人だから・・・」を枕詞のように使うのだろう?先日の校長講話で私の考えた解答を述べたので紹介しよう。

幼い子が「おじさんはいい人だから」と必ず言ったのは、日髙を「いい人」にしていないと自分が罪人になるから。

神々の話(祭り)にはタブー(=禁忌:してはいけない)がつきものである。異類(神)との婚姻を語るものには必ずと言っていいほどある。鶴の恩返し「機織りを見ないでください」浦島太郎「開けてはいけません」雀のお宿「覗いてはならない」三輪山の杉「触ってはいけない」などなど。この島の秘儀の祭りは「語ってはいけない」(島民だけの共同幻想)である。島民たちは子々孫々にいい伝える「語ってはいけない」純粋な子供は、純粋な疑問を持つ。「なぜ?」そうすると母と子の間に、こんな会話が成立しはしないだろうか。
子「なぜ話しちゃいけないの?」
母「・・・」(答えられない)
子「ねぇ、お母さん、なぜ話しちゃいけないの?」
母「島の人たちの大切な祭りだから、悪い人に聞かれるといけないからよ」
(「いい」←→「悪い」という、本当は難しいが、子供には理解しやすい概念で説明する)
子「ふーん」(じゃあいい人なら語ってもいいんだ)

「おじさんはいい人だからね」という少年の言葉は説明できているだろうか?これは「正解」ではない。◯や✖️で判断されるものではない。私の説明であり解釈である。あの宿題を出した時、生徒諸君はどんな答えを導いたろうか。右から左へ「口から耳へこぼれゆくもの」として聞き流す者も多かったに違いない。(HRで話題として取り上げてくれた教員もいると聞いている。ありがたい)世の中には、こうした問いはあまりにも多い。 いや、こうした問いばかりである。そして時には誰も答えを示してくれない。協働のスパイラルの中で自分を変容させ、強い頭を鍛えるそんな学びが必要な時代なのだ。

これは◯✖️の世界。でも先に書いた学びの根底に、これは絶対に必要だ。この層が薄い者が強い頭を鍛えられるはずがない。スタートはここから。

100点ダルマ、今回は何人いるのだろう。「卒業までに◯個目標」いいね!

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