お知らせ 校長講話(夏季休業前)

夏季休業を迎えるにあたって、市原中央高校生の「すごい」を話しておくことにしましょう。
安倍元首相の銃撃事件、ロシアのウクライナ侵攻と全世界規模の危機的食糧難、猛威を震い続ける新型コロナウイルス。今、二重三重に重なる人類の平和を脅かす事件や要因が私たちを取り巻いています。それらを遠い国の話、自分達とは無縁な出来事と感じてしまうことは、この上なく恐ろしいことです。
そうは感じないまでも、「人為」(自然の成行きのままでなく、人手が加わる、人のしわざ)に係る事柄に対する情報の取捨選択と、真偽の見定めは極めて大切になってきます。よく言われる「生きる力」(自ら考え、判断し、行動する力)が今ほど必要とされるときはありません。ある事象に対し流布されている情報は、正しいものなのでしょうか。一面的には正義であっても、他の面ではどう見えるのでしょうか。主張する者、伝達する者の都合によって歪められ、誇張されていることはないでしょうか。鵜呑みにすることは恐ろしいことです。立ち止まって、冷静に見つめてみることは大切なことです。
その意味で、本校生徒の素晴らしい一面を、7月になって3回も経験しました。いずれも男子生徒たちなのですが、校長室を訪れて「時間をとってほしい」と相談に来てくれたのです。もちろん具体的な内容に触れることは控えますが、彼らの相談内容は、「自分達にはこう知らされているが、学校としてはどういう方向性を見ているのか」といったことや、「如何ともし難いことだが自分達の思いを聞いてほしい」「企画を進めるにあたって、ある情報があったがそれについて意見を求めたい」といった内容であった。
いずれも先に述べた「生きる力」との関連で言えば、単一の情報に翻弄(ほんろう)されず、自らの判断のための情報収集をさらに進め、行動しようとする姿勢です。本校生徒が、こうした姿勢をしっかり持ってくれていることは、心から喜ぶべきことだと思っています。やはりすごいよ、市原中央高校生。
最後に、体調に気をつけて、いい夏を過ごしてください。これで校長講話を終えます。