動物 クマとカッパに出会った

9月25日(水) ほぼ毎日・校長 Vol.107 試験期間中の学校はつまらない

 ふいに世界から取り残されたような気分になってしまう、そんな経験は誰にでもあるだろう。台風の被害で学校のリズムが狂った。この時期の1週間、10日の季節の移ろいは早い。何よりも「秋の日はつるべ落とし」。あっという間に陽が西の端に隠れてしまう。季節と定期考査があることが、マッチしない。体内時計と合わないのである。それもあってか、部屋に一人でいると、何か寂しい。寒いぐらいの秋の風を感じながら、夏を懐かしむ。今の子は「釣瓶(つるべ)」なんてわからないだろうなと思い、清掃に来た男子生徒に聞いてみた。「つるべ」ってわかる?「えぇ、でも本物は見たことありません。おばあちゃんちに井戸があったけれど、あれ、なんて言うんですか?手で上下させる・・・そうそうポンプだったから」へぇ、ちゃんと分かってるんだ「つるべ」。他愛のない会話だが、こんな会話も楽しい。人恋しいのである。
 廊下に出ると忙しそうに、小走りに放送室に入っていく後ろ姿。放送室の前まで行くと「ふっ」と影が暗い凹みに吸い込まれていった。チョロっと頭を覗かせ、こちらを見るようにしてまたいなくなった。不思議の国のアリスに出てくるウサギのようである。こちらから壁の凹みに首を入れると、いた。思わず「君はクマ」と声をかけると、「はいクマです」と笑顔を作ってくれた。Vol95に登場したクマの撮影主である。400ミリの望遠で・・・しばらく写真談義に花を咲かせていた。
 週末から姿を見なかった教員が、「先生、うちの生徒すごかったです」と報告に来てくれた。話によると水泳の新人戦で、200メートル、400メートルメドレーに出場した女子生徒が、県でいずれも4位の成績をあげたのだそうである。200メートルは3位と僅差、「本当に惜しかったです」と我が事のように悔しがっていた。

 夢中になれるものを持っているって素晴らしいなぁ。クマもカッパも。いいね、市原中央高生!

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