インフォメーション 目は口ほどにものをいい

10月2日(木) ほぼ毎日・校長 Vol.111 ニワトリの話をしようか?

 目の前に二人の生徒がいる、利発そうな話し方をする男子。女子の目は、どうやればそんなに大きな目になるの?と尋ねたくなるほど、大きな目をしている。『瞳に星を輝かせれば、少女漫画の主人公だな』と思わせるほどである。(実際、星か輝いていたかもしれない)男子が言葉を選びながら語りかけてくる。聴いて欲しいことは「わがまま」ではない。内容がそう理解されないように慎重に言葉を選んでいる。女子は時折頷きながら、私をじっと見つめているだけ。彼女の瞳に自分が写っているようにも見える。見透かされているような、不思議な魔力がある。男子の語りは、まるで呪文のように説得力を持って訴えかけてくる。本校の生徒のこの部屋でのおしゃべりは、ある共通点を持っているように思っている。目の前の二人もそうだ。それは俗な言葉で表現しては失礼かもしれない「わきまえ」である。『もっとわがままでいいぞ、君たちぐらいは』と思うが、反面、そうした「わきまえ」を大切にしてあげたいとも思う。如何ともしがたいことなんだけれど、まぁ聴いてくださいよ。言葉と目で語りかけてくる。
 ニワトリの話をしよう。昔、その昔、ニワトリたちは草原の中を自由に歩き回り、空を飛び、森の木々に羽を休めていた。たくさんの餌を得ることができ、とにかく幸せな日々を送っていた。悩みは、ヤマネコやキツネ、へびのような肉食の生き物に脅かされること。「昨日、誰々の家の○さんが、キツネに襲われたそうだ」ニワトリたちは安心を求めた。そこに人間がやってきて、「ねえき君たち・・・」

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