お知らせ 空気が凛と澄んでいた

11月18日(月) ほぼ毎日・校長 Vol.132 懸命にピッチを駆ける姿が眩しかった


 先週のある日の午後、一人の男子生徒が訪ねてきた。目の輝きの澄んだ生徒である。応接の椅子に座って部活のことを語る。矢継ぎ早ではなく、じっくりと噛み締めるように。こちらの発する言葉に一つひとつ理解をし。応じながら語っていく。良識を踏まえ、その上であってほしいことを丁寧に説明していた。聡明な生徒である。最終に私が告げた結論に「嬉しいです。ありがとうございます」と慇懃に礼を述べた後、「先生、遠いんですが、来ませんか?11月17日(日)、東京学館浦安で翔凛高校と対戦です。みんな頑張っています。ぜひ」と誘ってくれた。別件があったので困った表情をしたのだろうが、黙って私を見る澄んだ目が「否」とは言わせない素直な強さを持っていた。「できるだけ」曖昧な返事に「お見えになったら、挨拶に伺います。ありがとうございます」と言ってドアを開け、丁寧にお辞儀をして出て行った。ぜひ応援に行こうと思った。

  台風や豪雨で流れた第12節の試合がこの日(11月17日)に行われた。快晴の空は初冬を思わせ、合わせるように空気が冷たく凛と澄んでいた。海岸線のためか、風がやや強く、前半、風下のゴールを守る本校にとっては、相手のボールが思いの外、足が早く伸びを見せてくる。開始から25分過ぎ、コーナーキックから上がったボールに双方合わせることができず、こぼれ球を本校の10番が身を呈してクリアした。そのボールがどういう過程でか見えなかったが、ゆるゆるとゴール右サイドのネットにもつれるように入って行った。悪夢を見ているような失点であった。
 2点ビハインドで迎えた後半。動きは本校の選手の方がよかったように見えた。攻めに集中していた本校の隙を突かれた。終了5分前、センター付近でボールをキープした相手88番がドリブルでディフェンスをかわし、ゴール前の空きスペースに送ったパスに合わせ、29番が左で蹴ったシュートは、キーパーの逆をついてゴールネットを揺らした。
 翔凛高校の選手は3年生が中心だったのだろうか、素人目に試合慣れしているように見えた。ただ最後まで諦めることなく、相手のゴールを目指して突き進んでいた本校生徒の姿に感動した。結果は0対3というスコアであったが、決して負けていない闘志を伺うことができた試合だった。頑張れ、市原中央高等学校サッカー部。

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