重要 仕上がったんです、見ていただけますか?

11月20日(水) ほぼ毎日・校長 Vol.134 幸せな気分です


 Vol123に登場した美術専攻の女子2人がやってきた。「先生、あの時話していた絵が出来上がったのです。明日梱包して展覧会に送るので、先生に見てもらおうと思って・・・」と来室の趣旨を話してくれた。以前にもこういうシチュエーションに幾度か出会っている。「先生、楽曲が仕上がったんです。聞いていただけますか?」ある高校の吹奏楽部。「先生、結婚するんです。親に会う前に彼に会ってもらえますか」2児の母になった教え子などなど、こんなことがあるんだが、日髙に見てもらいたい、会ってもらいたい。こんなに嬉しいことはないのである。
 拝見すると2人の絵の素晴らしいこと。自分の背丈ほどある大きなキャンパスに、老婆(彼女の曽祖母)をモデルに写実的に描いている。あの時はまだ線画だった。時間が足りないことを憂いながら懸命に描き続けたのだろう。すごい力である。「いいねぇ。絵の道に進まないなんてもったいないよ」とからかうと、やはり「サカナ」であった。自分が飼育している黒鯛の幼魚にドジョウを食べさせている写真。水族館で撮影したエイやイルカの写真。ご披露いただきました。本当に好きなんだね。
 もう一人の彼女の作品は、木炭で描いた「流動」。流動から連想される様々なものが、一つの大きなうねりのように塊りとして描かれ、一定方向への流れを見せている。よく見ると時計。時の「流れ」が思考言語に会ったのかしら?思いついたら不躾でも聞いてみる。「流動から連想された思考言語がこうしたビジュアルに変更する、思考の変容はどんなもの?」かなり難しい質問だったが、「ことば」が自然に「え」に移ろっていく。そんなイメージを語ってくれた。面白いね。
 二人にすっかりいい気分にしていただいた私から、ささやかなお返し。水爆実験が行われた「ビキニ環礁」。女性のセパレートの水着をビキニっていうだろう。あれは核実験に対する抗議からデザイナーが名付けたんだよ。そこの景色と野生のイルカの話しを聞いてもらった。

 豊かなお昼時間をいただきました。情緒豊かな市原中央高等学校生、いいなぁ。

 明日から修学旅行。彼女たちが今日きてくれなかったら、この瞬間(とき)はなかった。ありがとう、感謝します。

 

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