晴れ 自分で作り上げるものなんだよぉ

9月16日(水) ほぼ毎日・校長 Vol.173 書く気になった

執筆というほどではないが、ブログを書くにも筆のノリがある。ウダウダとまとわり付く問題に煩わされていると、一向に生徒との触れ合いに気持ちが向かない。『つまんないのぉー』なんて今日も一人で食事をしていると、ドアをノックする音が聞こえた。『校長先生、ちょっといいですかぁ?どうして「ちょっといいですか?」なんだろう。ちょっとであった試しがない。』覚悟を決め、それでも明るく「はーい、どうぞぉ」。予想に反して、「先生、お一人ですか?」と明らかに生徒の声。「ですよ。どうぞお入りなさい」二人の女子生徒が入ってきた。「へぇ」とか「ふーん」とか言いながら、初めてみる空間をひとしきり見回して、ソファーに腰掛けた。
 「悩みがあるんです」と一人がいうと、その言葉が終わらないうちに「私は付き添い、おまけのようなもの」。妙に連携が取れた、いい相方のようである。さらりと「悩みが」と言っていたので、それほどでもないのかな?と思って聞くと、かなり深い。なんとか答えてあげたいという気持ちで、空海の密教の世界まで入り込んでしまった。「今言ったように『自分』ってね、自分で作り上げるものなんだよ」抽象的でわかりづらい説明であったろうに、「先生、わかった気がする」「少し(悩みが)溶けた気がする」と言って、「ねぇ」と声を合わせて顔を見つめ合った。コンビネーションの良さを感じながら、「お名前は?」二人は同じような悪戯っぽい笑みを浮かべて、「◯◯」二人合わせて「◯◯・◯◯」ファーストネームが同じだった。
 「ありがとうございました」と元気よく帰っていく背中に、「今度はお弁当持っておいで、一緒に食べよう」と語りかけると、振り返った目が「本当にいいんですか?」と語っていた。「はーい」という元気な声が、廊下に消えていった。

 今日の秋晴れのような清々しい、気持ちになった。いい1日になりそうだ。